テクノロジーの活用

CTOメッセージ

LIFULLグループの価値創出を最大化するためには、進化し続ける技術に対する研究投資が不可欠です。また、作り出したものに満足、固執せず、新技術を積極的に活用しながら品質向上の取組みを継続していくことも重要です。これらを支える基盤として、強固なセキュリティと開発の自由度を両立し、生産性高く開発できるプロダクト開発基盤の構築・整備に注力しています。あわせて、エンジニアが自発的に挑戦しながら自らのスキルを高めることができる社内制度の設置・運用と風土の醸成を推進することで、既存の仕組みやシステムに捕われない画期的なサービスやプロダクトを提供し続ける組織づくりを行っています。
経営理念「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」の実現を目指して、LIFULLグループの技術力を強化し最大限引き出せる環境を整備することで、革進的な仕組みや価値の創出に取組んでいきます。

執行役員
CTO
テクノロジー本部長
LIFULL HOME'S事業本部 イノベーション開発室長
長沢 翼

長沢 翼

基本的な考え方

LIFULLグループでは、コーポレートメッセージとして掲げている「あらゆるLIFEを、FULLに。」の実現に向けて、当社グループの持つ膨大な情報やグローバルな顧客ネットワークと、テクノロジーを掛け合わせることで社会に新しい価値を提供し、社会に存在する課題の解決へ貢献することを目指しています。
LIFULLグループが提供する様々な情報サービスは、そのほとんどの開発業務を内製で行っており、開発人員リソースの安定的な確保と、新たな技術の活用に向けた投資は、当社グループにとって重要なテーマであると捉えています。また就業場所や就業形態の多様化に対応することができる社内インフラのDX推進や、生成AI等の最新技術の活用を進めることで、開発部門にとどまらず社内全体の生産性を向上させ、価値創出力の最大化にも取り組んでいます。

体制

研究開発(R&D)

AIや生成AI、xR等を含めた日々進歩していく最新の技術について、LIFULLグループの事業や各種サービスにおけるの活用方法の検討や検証を目的とした研究開発のための専門部署を設置しています。

情報システム整備

当社の情報システム部門では、社内のネットワーク環境整備だけでなく、リモートワークを含む多様な働き方にも対応するためのゼロトラストネットワークの構築やセキュリティ対策等、リスクへの対応と業務効率の向上の両面を満たした情報システム整備を推進しています。

事業横断基盤整備

LIFULLには、KEEL(キール)と呼ばれる独自のアプリケーション実行基盤があり、大部分のアプリケーションがKEEL上で稼働しています。共通基盤の運用により、重複する機能開発の回避やアプリケーション開発工数の削減、各種アプリケーションの稼働状況の把握自動化等、LIFULLの新たなサービス開発や改修に掛かる負荷を低減するとともに、セキュリティの面からも様々なサービスを支えています。
当該基盤の運用を主管する部門では、LIFULLのサービス創出を加速させることを目指し、基盤の運用、整備に取組み、アプリケーションの開発者に対しても運営に必要なツールを提供する等、LIFULLの開発を広範囲で支え、支援しています。

生成AIのサービス活用

LIFULL HOME'Sでは、生成AIの技術を積極的に取り入れることで、新しいユーザー体験やクライアントへの提供価値の向上を目指しており、専門部署を設置しています。
また海外においても、ユーザーへの提供価値の向上や業務効率化を目指し、展開する情報サイトにおいて生成AIを活用することでサービスを強化しております。

ビッグデータの活用(データ活用の取組み)

LIFULLでは長年にわたり事業を通して蓄積されたビッグデータを活用することで、外部への価値創出を行えるよう専門組織を設置し、データ整備や管理、活用に向けた企画を行っています。過去に掲載された不動産物件情報データベースの公開や、顧客へのオンライン広告の最適化支援、AIを活用する組織との連携による新たな価値創出等、LIFULLが持つデータを社内で活用するだけでなく、社会全体にその価値を還元できるよう、様々な施策を今後も検討していきます。

海外開発拠点との連携

  • LIFULLグループの開発力を持続的に強化できるよう、グループ各社の開発部門における採用を行うほか、2017年には、ベトナムで主に日本国内の企業からの受託開発を中心に行っていた企業を子会社化(LIFULL Tech Vietnam)し、2023年にはマレーシア(LIFULL Tech Malaysia)にも開発子会社を設立しています。
  • LIFULLとLIFULL Tech Vietnam、LIFULL Tech Malaysiaは開発において連携を強化しており、所属する会社や組織の壁を越えてプロジェクト毎にチームを組成することで、一体的な組織運営と開発力の向上を図っています。

開発力の強化

開発リソースの獲得

  • 研究コンテンツの拡充や、業務時間の一部で学習できる制度など、日々進歩する技術に対応するエンジニアへの支援を充実し、エンジニア採用市場における競争力を強化しています。
  • LIFULLグループでは、グループ各社の開発部門における採用の他、ベトナムとマレーシアに開発拠点として子会社を設置しており、世界の複数のエリアを対象に開発人員の採用活動を行うことで、競争が加速するIT人材の採用環境において、安定的な開発人材の確保に務めています。

開発生産性のマネジメント

  • LIFULLでは、開発に関わる生産性について生産性目標値(KGI)を設定しています。一人あたりの作業量や開発時間比率、コストあたりの生産効率等の複数の指標を可視化し、開発生産性の向上に向けた改善点の特定と対応進捗管理を月次で実施することで、価値創出までのスピード化を推進しています。
    中長期的な開発生産性の向上に向けては、開発効率の根本的に改善を目的としたリファクタリング(ソースコードの内部構造の整理、再設計)を実施する等、短期的な開発生産性とのバランスを取りながら価値創出力の最大化に向けて取り組んでいます。

品質向上・安全性向上の取組み

  • LIFULLグループで提供するサービスの開発業務のほぼすべては、海外拠点を含めた内製で行っており、開発業務において品質管理基準と管理プロセスを設定して、基準に沿って開発を行うことで、サービスの安全性を高めています。
    サービスや社内のシステム障害に対して、予防・早期復旧・再発防止策作成までを一貫化したフローを設定して運用しており、不測の障害が起きた際にも、迅速に対応し、再発させない仕組みを構築しています。

育成機会

株式会社LIFULLでは、通年で下記のような制度を設定することで、エンジニアが日々進歩する技術へ対応するためのスキルアップ支援と開発組織の組織力強化を行っています。

クリエイターの日

変化の激しいICT分野のマーケティング能力、技術開発能力を高め、イノベーションを創造するため、通常業務の枠を離れて、新たな技術や手法に取り組む機会を設けています。希望するクリエイターは、個人またはチームで特設プロジェクトの提案を行い、承認されたプロジェクトについて業務時間の10%を使って研究・開発を行うことができます。

クリエイティブアワード

新機能や新サービス、マーケティング施策などのプロジェクトを対象とした社内表彰制度です。クリエイティブアワードの運営は有志社員による委員会が主体となって行っています。オーディエンス部門では社員投票を実施するなど、クリエイター以外の社員も参加するイベント形式をとっており、互いに称賛しあい、部署を越えた協働をもたらす場となっています。

エンジニア社内留学

エンジニアが一定期間、他のチームに「留学」し、実際の業務に取り組みながら新たな技術を身に着けられる制度です。自身のキャリアプランに応じてテクニカルスキルの幅を広げるために利用されています。

担当マネージャー

上司とは別に、同じ職種のマネージャーが「担当マネージャー」としてつき、社員のキャリア形成をサポートする仕組みです。特に上長と職種が異なる場合には、目標設定や評価の面談に担当マネージャーが同席し、前後にすり合わせを行うなど、テクニカルスキルの観点からアドバイスを行います。

エンジニア総会

四半期に一度開催するエンジニア向けの会議で、「LIFULLのエンジニア像」を体現した具体的な事例を中心に、技術の方向性など全エンジニアに周知したいトピックスを共有しています。エンジニア総会の運営はエンジニア有志が行っています。

サステナビリティに貢献するテクノロジーの活用事例

軽量化プロジェクトのGAIチームで生産性を向上

LIFULLでは、組織の生産性を可視化することができる日次採算システムを導入し、価値創出のためのコア業務時間の増加や、ノンコア業務の削減等、組織毎に生産性が高い状態に向けて取組めるよう仕組みを整えています。また業務の効率化や削減を支援できるよう、社内向けにジェネレーティブAI(GAI)を活用したツールも開発しており、全社横断で業務工数の軽量化(軽量化プロジェクト)を推進しています。
例えば、音声ファイルや動画ファイルを元に文字起こし作業を効率化するツールや、特定のデータやファイルの要約等、社内向けにGAIを活用したツールを開発し展開しています。
宣伝素材にGAIを活用して生成した画像を利用することで、大幅な工数削減と画像に関わる権利侵害リスクの回避を実現した例も出てきており、生産性の向上だけでなく業務リスクの低減策として、今後更に活用シーンが増えていくことが期待されます。

安心安全なプラットフォームの運営

LIFULLグループが提供する、安心と喜びに満ちた自分らしい暮らしの実現を支援することを目指した様々な情報サービスは、そこに訪れるユーザーにとって安心、安全に利用できるものでなければなりません。
LIFULL HOME'Sでは、ユーザーが安心してサービスを利用できるよう「掲載情報の精度向上」を掲げており、情報審査の専門部門を設置して、誤った情報、不正な情報の是正に長年取り組んできました。管理会社との情報連携、ユーザーからの通報窓口の設置等、様々なアプローチを進めてきましたが、常時数百万件が掲載されている不動産広告をすべて人力で確認し、ヒューマンエラーやタイムラグ等の理由により発生した誤った広告掲載をなくすことは容易ではありません。そこで、2019年よりAI技術を活用した情報判別の実用化に向けた技術開発を開始し、精度向上のためのAI学習を進めています。直近では安定した結果が出始めており、近い将来の実装を目指しています。(参考:自社開発AIによる「おとり物件」検知精度を87%にまで向上 https://lifull.com/news/29852/

セキュリティ

情報サービス事業を主としているLIFULLグループにとって、事業の持続可能性(サステナビリティ)を担保するうえでセキュリティ対策は非常に重要な課題の一つです。未知のマルウェアやランサムウェアへの対策だけでなく、情報資産が脅威にさらされていないかどうかの状況把握、各種設定に不備がないかの監査等、対応人員の確保だけでなく、様々なITソリューションを活用したセキュリティ対策を施す必要があります。LIFULLでは、一般的なセキュリティ対策に加えて、社内ネットワークや各種端末を常時監視し、発現した事象と範囲の特定、迅速な対策や定期的な監査等、各種ITソリューションを活用したセキュリティ対策体制を構築しています。